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ポータブル電源の選び方:8つの項目を計算例で確かめる

「何を動かすか」から逆算すると、必要なスペックは数字で決まります。

使いたい家電から、必要な容量(Wh)と出力(W)をすぐ出せます。

今すぐ容量を計算する 家電別の使用時間一覧(電気毛布・こたつ・電子レンジなど)

このページの数値例は、当サイトの 容量計算ツール と 適合判定 で計算したものです。機種の値は 機種比較表 と同じメーカー公式値(確認日 2026-09-27)を使っています。

選ぶ順番

  1. 定格出力:同時に使う家電の合計を上回るか
  2. 瞬間最大出力:モーター機器の起動に耐えるか
  3. 容量:使う時間・日数に足りるか
  4. 波形:家電が使える出力か
  5. 重さ・充電時間・電池・保証:使い方と予算に合うか

1. 容量(Wh):表示の8割強が使える目安

容量は電池にためられる電気の量です。AC(コンセント)で使うと変換ロスがあるため、表示どおりには使えません。当サイトは変換効率85%を初期値にしています。

1,024Wh の機種 × 0.85 = 実際に使える目安 約870Wh

電気毛布50W なら 870÷50=約17時間、ノートPC60W なら 870÷60=約14.5時間

容量帯使える目安(効率85%)向いている使い方注意点
〜300Wh約250Whスマホ・ノートPC・照明、日帰り定格300W前後が多く、電気ケトルやドライヤーは使えないことが多い
500Wh前後約420Wh1泊キャンプ、短時間の停電、電気毛布1晩車載冷蔵庫+照明で1日程度
1,000Wh前後約850Wh2〜3人の停電対策、在宅ワーク1日、車中泊重さ10kg以上が多い
2,000Wh以上約1,700Wh冷蔵庫を含む1日以上の停電、家族キャンプ17kg以上。ソーラー併用で数日の備えに

2. 定格出力(W):同時に使う合計で決まる

定格出力は、続けて出せる電力の上限です。容量がいくら大きくても、同時に使う家電の合計がこれを超えると止まります。

電子レンジ1,300W + 電気ケトル1,200W を同時に使う → 合計 2,500W

比較表の8機種で定格2,500W以上は EcoFlow DELTA 3 Max Plus(定格3,000W)だけ。2,048Wh×0.80÷2,500=0.65時間〜×0.90÷2,500=0.74時間 → 約0.6〜0.8時間

同じ2台を交互に使えば合計は1,300Wとなり、定格1,500W以上の機種が候補に入ります。

使い方を変えるだけで必要な定格出力が半分近くになる例です。高出力の家電は「同時に使わない」と決めておくと、選べる機種が大きく広がります。

3. 瞬間最大出力(サージ):モーター機器の起動

冷蔵庫・ポンプ・一部の電動工具は、動き出す瞬間に普段の数倍の電力を使います。この瞬間に耐えられる上限が瞬間最大出力です。

冷蔵庫(平均60W・起動600W)+ 照明10W を同時に → 合計70W、起動時は 70−60+600=610W

定格500WのJackery 500 New:610W>500W で、瞬間最大出力が公式未記載 → 要確認

定格1,500WのJackery 1000 New V3:610W≦1,500W → 合う

起動電力は家電ごとに大きく違い、取扱説明書に書かれていないこともあります。600Wは計算のための仮の値です。

4. 出力の波形:家電向けは「正弦波」表記を確認

家庭のコンセントと同じなめらかな波形(正弦波)でないと、モーターや電子機器が正常に動かなかったり、異音や発熱が出たりすることがあります。主要メーカーの多くは正弦波をうたっていますが、当サイトでは公式ページで確認できなかった機種の波形を未記載としています(2026-09-27時点で全機種未確認)。購入前に仕様表の「AC出力」欄を確認してください。

5. 重さ:1kgあたり何Whか

同じ容量なら軽いほど持ち運びが楽です。公式に重さが確認できた機種で、1kgあたりの容量を計算しました。

機種容量重さ(公式)1kgあたり
Jackery 500 New512Wh5.7kg約90Wh/kg
Jackery 1000 New V31,024Wh約10.6kg約97Wh/kg
Anker Solix C10001,056Wh約12.9kg約82Wh/kg
EcoFlow DELTA 3 2000 Air約2,000Wh約17.5kg約114Wh/kg

1,000Wh級でも10kgを超えます。キャンプで車から運ぶ距離や、高い棚に保管するかどうかも考えて選びます。

6. 充電時間:停電が長いときは「1日に何Wh戻せるか」

AC充電の時間は、次の停電や翌日のキャンプに間に合うかに関わります。停電が続く場合はAC充電ができないため、ソーラーパネルで1日に戻せる量を見ます。

仮に200Wのソーラーパネルが、晴れた日に定格の5割×5時間ぶん発電したとすると:200×0.5×5=500Wh/日

冷蔵庫(年間300kWh=平均約34W)は1日 34×24=約820Wh 使うため、この条件では足りません。照明・スマホ・ルーター(1日230Wh)なら毎日まかなえます。

発電量は季節・天気・向き・パネルの性能で大きく変わります。5割×5時間は計算のための仮定です。

7. 電池の種類:回数と1Whあたりの価格

近年はリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)を使う機種が増えています。一般に充放電できる回数が多いとされますが、回数はメーカーごとに条件が違うため、仕様表の「サイクル寿命」とその条件(何%まで減るか)を見比べてください。

価格の比較には、容量1Whあたりの価格が使えます(公式ストアの税込価格、2026-09-27確認)。

機種容量価格1Whあたり
Jackery 240 New256Wh¥32,800約128円
Jackery 500 New512Wh¥69,800約136円
Jackery 1000 New V31,024Wh¥109,800約107円
Jackery 1500 New1,536Wh¥149,800約98円
Jackery 2000 New2,042Wh¥209,800約103円
EcoFlow DELTA 3 2000 Air約2,000Wh¥108,000約54円
EcoFlow DELTA 3 Max Plus2,048Wh¥179,800約88円
Anker Solix C10001,056Wh¥119,900約114円

1Whあたりが安くても、定格出力が低い機種(DELTA 3 2000 Air は定格1,000W)では使えない家電があります。価格だけで決めず、2・3の条件を先に満たすか確かめてください。価格はセールなどで変わります。

8. 保証:年数と条件を公式で確認

保証期間はメーカー・購入先・会員登録の有無で変わることがあります。当サイトでは保証年数を一覧にしていません(公式の条件を正確に並べられないため)。購入前に、メーカー公式ページで「保証期間」「延長の条件」「購入先による違い」を確認してください。

よくある質問

容量と定格出力はどちらを先に決めますか?

先に定格出力です。同時に使う家電の合計が定格出力を超えると、容量が大きくても使えません。次に、使う時間から容量を決めます。

大きい容量を買っておけば安心ですか?

重さと価格が増えます。2,000Wh級は17kg以上になる機種もあり、持ち運びや保管の場所も考えて、必要な分に余裕を2割ほど足すのが目安です。

正弦波かどうかはどこで分かりますか?

メーカーの仕様表の「AC出力」の欄に書かれていることが多いです。当サイトの比較表では、公式ページで確認できなかった機種は未記載としています。

計算の前提と出典